こんにちは。スターチスです!
今回は、Love Handi編集長のだいちゃん(∀)を通してリクエストを頂いたそうなので、それについて書こうと思います。
私は双極性障害2型なので、1型のかたにみられる躁状態というものは少ないと言われています。
2型にみられるのは軽躁状態です。ですが、軽躁状態の中にも躁状態に近いものがあるそうです。
文字のままだと軽い風に思われそうですね。たしかに躁よりは軽いのかな?
では軽躁は健常者のハイテンションと同じ位?
違います。
私は思います、頭が狂ってる状態、もしくは脳内お花畑で様々な判断を冷静に出来ない危ない状態だと。と言っても個人差はあります。同じ障害でも人によって、さらに同じ人間でも違いがあります。なので私の経験した事しか書けません。
誤解を招くといけないのでもう一度言わせていただきますね、個人差、状況により変わります!!
そして、記憶に曖昧な部分があります。ご了承ください。
初めて私が軽躁になったのは双極性障害2型としての通院が始まってから数ヶ月後だと思います。
その日私は仕事が休みで気分もよく朝から買い物に出掛けていました。
休みの日は1日中部屋の中でゴロゴロするのが大好きなので誰かと約束があるわけでもないのに朝から出掛けるという事がまず珍しいです。
少し前から目をつけていた新しい化粧品を買いにお店へ。
化粧品の万引きって多いのでしょうか、大体ガラスのショーケースに陳列されてますね。
目当ての商品は新商品だった為一番目につく場所に置いてあったのですがいくつか種類があり、私の欲しいものがないように見えました。が、こういう時は店員さんに聞くのが早いです。
「すみません、〇〇が無いようなのですが丁度見えなくて……」
店員さんはショーケースの鍵をあけ中を見てくれましたがやはりありません。
他の店舗にあるかも知れないので電話で聞いてみますと言ってくださって、結局車で行くとしても少し距離のある店舗に残り1つ在庫があるとの事。
普段の私なら、店員さんにお礼を言って店を去るのですが、異常なハイテンションだったと記憶しています。
「本当ですか! 嬉しい! お姉さん、〇〇さんってお名前なのですね、ありがとうございます! 〇〇さんが折角調べてくださったので今からすぐ買いに行きますね! こんなに丁寧にして頂いたのは初めてです! 本当にありがとうございます!! この御恩は忘れません!お仕事頑張ってください!!」
その後、店舗の外にあった自販機で何か無難な飲み物を買い〇〇さんにお礼として渡しました。これも閃きです。お礼がしたかったのです。
これも症状の一つ、行動力と多弁です。
ちょっと異様ですね、店員さんは引いていたのでは? と今では思います。
20年以上生きてきたのです、店員さんが在庫を調べてくださったりどこの店舗にあるかなど情報をくださる事は何度もあったと思います。
店員さんとのやり取りはとても気持ちがいい時間でした。
その店舗まで距離があってもいい! 行こう!!
気持ちはとても清々しいのに車の運転はデタラメ。80キロ以上飛ばして、他の車を煽って、クラクション鳴らしまくりの危険な運転をしながらお店に行きました。
他の車は邪魔、私は早く行きたいの、どいて。
たまに見かける迷惑で危険な運転をする人と一緒です。これは注意力散漫な状態ですね。軽躁の症状の一つ、正気じゃないです。
その後も、予定には無かった買い物へ。何店舗もまわりたくさん買います。
「そうだあの公園に行こう!」
と、また距離のあるお気に入りの公園へ行き一服。
ひらめきが止まらない、何かしたい、楽しい、ルンルンうふふな気分です。
自宅までの帰り道もガンガン飛ばします。
聞いている音楽を大音量で流しハイテンションでの帰宅。
とても良い買い物ができたな~と部屋でゆっくりしていました。買ってきた洋服を部屋に広げうっとり。
今では、何着買ってもお安いお店が増えましたが、当時は買い物と言ったらイオン巡りというのが私の周りでは普通でした。
まずお気に入りの服屋を見て、いつもは入らない店へ行ってみようと片っ端から入る。
メンズの店も入る。
雑貨屋も本屋も入る。
他のイオンへ移動しまた何店舗も見ては買うの繰り返し。何店舗回ったのでしょうね。
ひらめいては即実行、これを何度か繰り返し帰宅後、部屋でゆっくりしている時です。またまたひらめきました。
あれ? わたし今なら窓から飛べる気がする!
飛んだら絶対気持ちいいよなぁ。今しかないよね。
鳥みたいに気持ちよさそうに飛べる!
よし、飛ぼう!
そんな閃き。自信満々、これも症状の一つ。
当時2階建ての2階の部屋に住んでいました。当たり前ですが、窓から飛びたてるわけはなく、飛んでも気持ちいいわけがありません。
落ちるだけ。ケガするだけ。打ちどころが悪かったら……。
その時携帯が鳴りました。メールだったと思います。返事をしたのかどうか分かりませんが、携帯をピコピコし終わって、ふと急に我にかえりました。
ん? 私今何考えてた?
飛べる?
わたしは飛べるの?? そんなわけない。よね?
いや、わからない。
ん???
まだ半疑問形です。
これが半疑問形だったから良かったものの疑問に思わなかったら飛んでました。実際に窓を開けてました。
初めての経験に戸惑いもあり病院に連絡すると、
「今すぐ来れるかな」
と言われました。
今日のことを楽しかった思い出のように医師に伝えました。
医師はまず私の話を聞き、そこから質問をしていったと思います。
話を聞き終わった医師は、
「入院を勧めたいんだけどどうかな」
え? 入院? 誰が? 私????
入院は死にそうな人がするものじゃなかったっけ。私死なないけど。
知識がなさすぎです。
「先生どうして入院なんですか? 私、やばいのでしょうか?」
「あなたが絶対に嫌だというのなら、金銭的に無理だというのなら仕方ないけれど、入院を勧めたい。あなたが思ってるよりも危ない状態だよ。わかる?
人は窓から飛んでいけない、はばたけない、窓から落ちるだけ。わかるかな?」
「あ…」
医師と話していくうちに少しずつ正常な思考に戻ったような気がしました。この辺が特に曖昧です。
具体的な入院の費用を聞いて、私は一人で払える額ではないと分かり断りました。
実際にはお金の問題より命に関わることですから入院した方が良かったのだと思いますが、間隔をあけずに医師に会いに来ること、何かおかしいかなと思ったらすぐ連絡すること等約束をしたと思います。お薬も何か変更がありました。
このような感じでした。
記憶が曖昧な点が多々あります。間違いもあるかもしれません。
当時の事を思い返すと、もしかしたらこの時の私は躁状態に近い軽躁だったのではないかと思います。医師が入院の話を持ち出しましたし、飛べるなんて思っちゃってますし。
医師にもそれぞれ考え方があるので一概には言えません。ただ、生きててよかったし、携帯を鳴らしてくれたかたへ感謝です。ありがとうございます。
双極性障害Ⅰ型のかたの躁状態、2型の軽躁状態、どちらにも言える事は、今自分が躁(軽躁)状態だと気付かないという事だそうです。
通院して数年経ちますが、気分の高揚には、ハッとする事がありますが軽躁になったのは恐らくこの時と、もう一度だけだったと思います。
もう一度有ったエピソードは今は思い出したくないので書けません。すみません。
余談ですけれど、現在も車の運転をしていますが、免許更新時に医師から更新をしても問題はないと言われました。 免許センターにも問い合わせをして担当の方とお話をさせて頂き充分な確認をした上で免許の更新を終えています。
(執筆 スターチス)