る。です。精神障害者であり、発達障害者でもあります。
発達障害の特徴として「暗黙の了解がわからない」というのがあります。
その実例をお話してみたいと思います。
親に発達障害の話をしても「自分にも当てはまる」もしくは「そういうのは、ただのアホで済ませていた」と言います。昔はただのアホで済まされていたのかもしれません。
新潟の田舎のほうに姉一家が住んでいたとき、私一人で姉のところに遊びに行きました。土地が広いのに驚きました。駐車場ひとつとっても現在私の住んでいる関東近辺とは違って広く取られていて、車のドアを思いっきり開け放しても隣の車にぶつかりません。そもそも隣に車の姿がありません。
「新潟ってすごい」
と感動しました。
姉と姪っ子と私の三人で姉の運転でジャスコに行きました。食料品売り場に行くと通路も広いです。人がほとんどいません。当時小学生だった姪っ子が食料品売り場を走り回り出しました。
「あ~。通路が広いから関東のほうとは違って、スーパーで子供が走り回っても大丈夫なんだ。新潟ってすごい!」
土地柄の違いにとても感動しました。
当時姉一家が住んでいた家はとても大きくて立派な一戸建てでした。
姉たちの家に帰ったら、姪っ子が家の中で飛び跳ね出しました。
「あ~。新潟は土地が広いし一戸建てだから子供が飛び跳ねても大丈夫なんだ。新潟ってすごいなぁ。」
また土地柄の違いに感動しました。
姉の家から帰ってきて、親にこの感動を伝えなければと喜び勇んで報告しました。
……きっちり、怒られました。
「スーパーで走り回ったらあかんのも、家の中で飛び跳ねたらあかんのも全国共通!」
常識と言われるものがわからず、土地柄の違いだと思って感動してしまいました。
友達が欲しくて自助会に行きました。友達が欲しいという話を親にしていたので「帰りにお茶に誘ってみたらいいよ」というアドバイスを受けていました。
自助会も楽しく過ごせて帰りに思い切って雰囲気がいいなぁと思った女性二人に声をかけようとしました。一人に声をかけOKしてもらい、もう一人に声をかけてOKしてもらった時、こっちを見ている男性の存在に気づきました。誘って欲しそうにされています。一緒に喋っていた男性です。
「一緒にいかがですか?」
と誘ってみました。
「え~、いいの~?」
ちょっと冗談で女性っぽくシナを作って喜んで下さいました。
すぐそばに他の男性もいます。自助会では直接、話していない方です。
聞こえていたとしたら、誘わないと失礼かもしれないと私は考えました。
「お茶に行くんですが、一緒にいかがですか?」
と、この男性も一緒に誘いました。
「男の僕でもいいんですか?」
女性っぽくシナを作ってくれた男性が
「僕も行きますぅ」
冗談っぽく言ってくれたので、雰囲気が和らぎました。
「じゃあ、僕も」
次々と参加者が増えて行きました。RPG風にいうと仲間が増えた! 感じです。
目の前を話をしていない男性が通り過ぎます。
「あ、声をかけないと。」
良くわからない義務感にかられて、目の前にいる人にどんどん声をかけました。
結局、総勢10名でお茶に行きました。
楽しかったですよ。でも、人数が多すぎて話にくかったんです。
友達を作るという当初の目的は果たせませんでした。
家に帰って親に報告しました。
「お茶に誘えたよ」
すると、親からは喜んでもらえました。
「でも、せっかくお茶に誘ったのに人数が多すぎてすごく話にくかったんだけど。」
ということを考えました。
そして、私は何か分からないことがあればFacebookに頼ります。
今回のことについて訊いてみました。
「仲良くなれそうな人だけ誘ってもいいのかな?」
「いいと思うよ~。小人数がいいと思う人もいるかもしれない。」
……失敗しました。自分も含めて少人数だけで話して仲良くなりたかった人もいたかもしれなかったのに、わからなかったのです。
親に、
「10人でお茶した。」
と話してみました。
「お茶に誘ったって言ったから、せいぜい2~3人やと思ったのに、それやったら、自助会と変わらんやん!」
全くその通りです。
言われないとわかりませんでした。お茶に誘うのは数人でいいということが。
このように、常識だろ! と突っ込みが入るようなことが私にはわかりません。
どうするのがよいのでしょうか。知らないことが何かわからないので、事前に人に訊くわけにもいきません。
今のところ、ぶつかる度に学ぶということしか方法がありません。
(執筆 る。)