精神疾患のる。です。
精神病院に入院する時、保護室に入れられていました。(その時の記事はこちら)少し良くなって一般病室に移りました。2度目の保護室行きになったのは、閉鎖病棟にいた時のことです。
きっかけはナースステーションの扉の前で就寝前、就薬(寝る前のお薬のこと)を飲んだ後のことでした。
私がナースステーションの扉の前でうろうろしてるのを見て、
「こんなところに」
女性の看護師さんが手を引いて、私を私の病室のベッドまで連れ戻してくれました。
なんだかわからないけれど、連れ戻してもらったことが嬉しくて楽しくて仕方がありませんでした。
もう一度ナースステーションの扉の前に戻りました。
「あらまぁ」
同じ女性の看護師さんと別の女性の看護師さんが今度は二人がかりで私を二人の間に挟んで、片手に一人ずつ手を繋いだ状態で私を私の病室のベッドまで戻してくれました。
「両手を別の人に持ってもらえるなんて、とらわれた宇宙人の写真みたいだ。」
そのことを、おもしろいと思いました。そして、
「相手してくれている。」
ということがとても心地よく、もっと楽しくなりました。
スキップしそうな勢いで、もう一度ナースステーションの前に戻りました。
今度は白衣を着た見たことのない男性とさっきの女性の看護師さん二人が出てきました。
「あれ?さっきのもっかいやってくれないの?とらわれた宇宙人のやつ。」
不思議に思いました。
白衣を着た男性が自己紹介してくれます。
「今日の担当の○○です。……」
なにか言っています。
男性が夜間の担当の医者であること、保護室にいれる書類を作ったから渡しておくと言われたことだけはわかりました。
「あれ?あれ?楽しいあれ(手をひいて病室に戻すこと)は、もうやらないの?」
保護室に入れることが書かれた紙を渡されて、先生と看護師さん2人に周りを囲まれて、保護室に行きました。
「あれ(手を引いて病室に戻すこと)すごく楽しかったのに、なんで?」
訳がわかりません。
一緒に来てくれた先生からお薬を飲むように言われて、看護師さんが準備してくれました。
お薬を飲んだらそこの保護室で寝るように言われて皆出ていきました。
看護師さんの気の毒な人を見るような憐れむような目を覚えています。
「すごく楽しかったのに、なんでだろう。」
そのときは全くわかりませんでした。
今回は最初に入れられた保護室とは違う保護室でした。
窓は開きませんが、外の景色が見えます。保護室のドアは一ヶ所だけです。
トイレの正面にドアがないだけでトイレの左右後ろに壁があります。トイレも自分で流せるようにボタンがついています。
最初に入れられた保護室は便器も背面に壁があるだけで丸見え、トイレも自分では流せないようになっていましたし、大きな広い窓はありましたが、看護師さんたちが使う廊下を挟んで外に面した窓があって外に面した窓には一日中カーテンが引かれていたので、外の景色は一切見えませんでした。
今度の保護室はベッドだけじゃなく、机と椅子もあります。
前の保護室より狭いけど豪華だなぁと思いました。
「特にトイレに3面も壁があるなんて!なんて豪華なんだ。
保護室なのに、外が見える!すごくいい待遇だ!」
と思いました。
最初の保護室の時は恐怖でいっぱいだったのに、今回は恐怖は全くありませんでした。ハイになっていたんでしょう。
窓の外を覗いても夜なのでほとんど何も見えませんが、
「窓から外が見えるっていいなぁ」
思いながら眠りにつきました。
一晩そこで眠ったら、朝になって一般病室に戻されました。
人のぬくもりに飢えていたので手をつないでもらえたのがとにかく嬉しくて、ハイになってしまったようです。
保護室に入れられてなかったら、一晩中、ナースステーションのドアの前と病室のベッドを看護師さんに連れられて往復していたと思います。
その後幸い保護室に戻ることはありませんでした。
これを書くときに親に2度目の保護室に入った事情を初めて話したら、3歳児の行動だと言われました。子供返りしていたのかもしれません。
(執筆 る。)