精神障害者のる。です。
今回は私が実際に利用していた、就労継続支援B型施設について書かせていただきたいと思います。
割と自由な就労継続支援B型施設に通っていた時の話です。
就労継続支援B型施設では、喫茶店、手工芸品の販売等の作業を障害者が行い、その売り上げから必要経費を引いた残りを作業人数×作業時間で割り、時給としてそれぞれに分配します。
ちなみに、就労継続支援B型施設では、所得水準に応じて利用料がかかります。所得水準が高いと、貰う工賃より利用料のほうが高くつくこともあります。
そこでの時給は大体170円ぐらい、厚労省の出している就労継続支援B型施設の平均時給が176円なので、ほぼ同じぐらいでした。
割と自由になんでもやらせてくれるので、試しに助成金の話を持ち込みました。
そのB型施設では、喫茶店とコーヒー豆の焙煎を行っていました。コンビニの跡を少しだけ改装して喫茶店をやっている施設だったので、床がとても汚かったのです。
こういう助成金があって、床とかが汚いのは喫茶店としてマイナスだから、床とかをきれいにしたいので、書類を書かせてくれと頼みました。
するとOKが出ました。
作業所での時間内を使って、それ以外にも家で助成金の書き方など自分で勉強しながら、助成金の書類を書き上げました。
よくできていると褒め言葉をもらって、助成金の書類を投函してもらいました。その他にもこんな助成金があるから、もっといいPCを導入しませんか等と話を持ち込んで、何個か書き上げました。
その作業所の経営者からも、iPad欲しいからiPadがもらえる助成金の書類を書いてくれと頼まれて書いた分もあります。
その後割とすぐ、私は入院してしまいました。助成金が下りるのは半年後とかなので、結局私のやった助成金申請の仕事が成功だったのか、不成功だったのか、不明なままです。
作業所の時間内でやっていたので他の方と同じ時給170円程度で助成金の書類作成の仕事をやっていました。正確にいうと、全部私一人で書き上げてから、経営者のチェックが入りそれ以外の必要書類を経営者が用意するので、助成金の書類作成補助の仕事になるのかもしれません。
その作業所には、経営者が他の作業所から一本釣りしてきた、イラストレーターを目指している方がいました。
その方が経営者から個人的によそのイラストの仕事を頼まれて、描きあげていることを、ある時知りました。
時給以外にお金を渡している場面に遭遇したからです。
「あれ?」と思いました。
「経済的利益から考えたら、助成金の仕事って成功した場合には、もうちょっと時給以外にお金もらえても良くない?」
とさもしいかもしれませんが考えました。
あるとき、その経営者のお友達の福祉関係の経営者がやってきました。
助成金の仕事をしてもらってると私のことを紹介されたので、助成金の書類作成をお願いしたいという話になりました。少なくとも時給170円で請け負っている仕事です。
よその作業所の書類を書いた場合、当然、なんらかのお金が発生すると思っていました。
その後、色々と話をしてみたら「障害者に助成金の仕事を勉強としてやらせてあげるんだから、タダにきまってるだろう」という考えでした。
私は、呆然としました。
もし、健常者が助成金の書類を書く仕事をしたら、最初から「ボランティアでお願いします」と言わない限り、お礼ぐらいは発生するのではないでしょうか。
障害者だからなめられたというふうに感じています。
障害者が自分の通っている作業所の助成金の書類を書くこと自体がほぼあり得ないと思います。それを快くやらせてもらったことには感謝しています。
勿論このような施設ばかりではないと思います。私が利用していた施設がこうだった、というだけなのかもしれません。
それでも、障害者だからといって労働を搾取はされたくはありません。
(執筆 る。)