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車椅子ユーザーから”3つ”の、ちょっとしたお願い事

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車椅子ユーザー お願い

ライターの桜井弓月です。

まだまだ足りない部分はあるものの、日本もハード面でバリアフリーが進み、十数年前に比べると車椅子でだいぶ外出しやすくなりました。とは言え、外出時には小さなことから大きなことまで、やはり「困ったこと」は起きるもの。そこで、車椅子ユーザーから三つの「ちょっとしたお願い事」です。

【1】自転車で車椅子の通り道を塞がないで下さい

車椅子で歩いていて困ることの一つが、通り道を塞ぐように停めてある自転車です。

駐輪スペースではない場所に自転車を停める場合は、その行為が本当に歩行者の邪魔にならないかどうか、ぜひ考えてみてください。

車椅子で通れない場所はいろいろありますが、もともと幅が狭いとか階段しかないという場合は、まあ、仕方ないかなあと思います。それも改善してほしいのが本音だけれども、すぐにどうにかできるものでないことは分かっていますので。

しかし、本来は通れるのに、自転車がどどーんと停まっているせいで通れないというのは、正直イラッとしてしまう時があります……。

車椅子は歩道を通ります。私は外出時に電動車椅子を使用していますが、道路交通法上、電動車椅子は車両ではなく歩行者扱いです。いや、そんな法律の規定以前に、車道は危険なのでできれば 通りたくありません。

ですが、歩道に自転車が置いてあって通れないことがあるのです。広い歩道であればいいですが、狭い日本、車椅子一台がぎりぎり通れるくらいの幅しかない歩道もたくさんありますよね。車椅子ユーザーは、そこにある自転車を自分で脇へ動かすことはできません。歩道と車道の間にはたいてい段差がありますから、その場ですぐ車道に出ることもできません。自転車があって通れないなと気付いたら、いま来た道を段差のないところまで引き返すしかないのです。

また、車が入ってこない歩行者専用の通路も、自転車だらけで通れないことがあります。よくあるんですよ。自分の足で歩いている人なら、自転車の間をカニ歩きで通れるかもしれませんが、車椅子は無理なんです。せっかく安全な歩行者専用通路があるのに、自転車に通せんぼされたために車道を通って迂回せざるをえないなんて、理不尽で世知辛い世の中です。
人間の心理というのは面白いもので、自転車が一台停まっていると、何となく停めてもいいような気になって二台、三台と増えていくわけです。あとはもう無限に増え続けるだけ。駐輪スペースではない場所に最初に停めた人の罪は重いですよ!

私がこれまでに経験した極めつけは、スロープの出入口をふさぐように停めてある自転車です。

とある駅は構内から階段を下りて道路へ出るようになっているのですが、幸いなことに階段の脇にスロープが設けられていました。ところが、スロープを下り切ったところに自転車があって、道路へ出られないのです。

いやいやいや、なぜわざわざそこに停めたんだ!

そのときは、ちょうどそこを通ろうとしていたベビーカー連れの女性が、自転車を横に動かしてくれました。

道端に自転車を停める人は、「これくらい隙間があれば歩いて通れるから、停めても邪魔にならないだろう」と考えるかもしれません。でも、ちょっと待ってください。あなたが想定している歩行者の中には、車椅子ユーザーも入っているでしょうか。歩行者とは、自分の足ですたすた歩いている人だけではありません。

自転車で、車椅子ユーザーの貴重な通り道を奪わないでいただけるとありがたいのです。

【2】車椅子も体の一部 気軽に触らないで下さい

車椅子ユーザーにとって、車椅子は自分の体の一部です。大切な足であり脚なのです(ですから、私は「車椅子で歩く」という表現を使います)。


私にとって、車椅子を触られることは自分の体を触られるのと同じことです(そう思わない車椅子ユーザーもいるかもしれませんが)。

もし、あなたが何か困っていそうな車椅子ユーザーを見かけて、「手伝おうかな」と思ったならば、ぜひ一言声を掛けてからにして下さい。

例えば、ちょっとした段差があって、頑張れば車椅子で上がれるけれども手間取っているとします。そのとき無言で後ろからいきなり車椅子を押されると、とてもびっくりしますし、正直、嫌です。

見ず知らずの人に無言で自分の体を触られたら、びっくりするのが普通ですよね。びっくりどころか、それは痴漢です。さすがに、車椅子を触られても痴漢とは思いませんが、無言で押してきた人が男性だったりすると、申し訳ないけど恐怖すら感じてしまうこともあります。

「大変そうだから押してあげよう」というお気遣いは分かりますし、ありがたいと思います。ですが、無言での接触は、感謝の前に驚きと身構える気持ちが湧きます。口に出さなくとも、不快感が顔に出てしまうかもしれません。

あなたの親切心がしっかり伝わらず、むしろ不審に思われてしまうのは、お互いにとって不幸なことです。「押しましょうか?」などと一言声を掛ければ、あなたの気持ちが車椅子ユーザーに伝わって、win-winの結果になりますよ!

また、障害内容や程度によっては、びっくりすると激しい不随意運動が起きて危険な場合もありますので、声掛けは重要です。びっくりを避けるためには、後ろからではなく、顔が見える位置から声を掛けるのが良いですね。

そう言えば、混んだ電車内で、すぐ横にいた見ず知らずの人が無言で私の車椅子をずらそうとしたことがありました。私のことが邪魔だったんでしょうね。
車椅子は荷物じゃないからね!

【3】エレベーターでドア付近に立っている場合は 先に降りて下さい

どんなときでも車椅子ユーザーを優先してあげなければならない、と思っている人がいるようですが、優先されて逆に困ることもあるのです。

混み合ったエレベーターに乗っていると、ドアが開いたとき、「お先にどうぞ」と私に先に出るよう促してくれる人がいます。

お気持ちは分かります。親切心ですよね。善意ですよね。でも、あなたがドア付近に立っているから出られないんです、という時があるので困っています。そのまま私が出ようとしたら、たぶんあなたの足を轢いてしまいます。

「すみませんが、先に出て頂けますか?」と丁寧に対応しますけれど、心の中では「正直先に降りて欲しい」と思っています。それで気付いてくれる人はいいのですが、「いえいえ、どうぞ」と食い下がる強者もいらっしゃいます。ここまで来ると、善意はむしろ迷惑になってしまいます。

本当は、たぶん思いは同じなのです。あなたは、私を先にエレベーターから出そうとしている。私も、できれば早く出たい。であれば、私のことなんて構わず、さっさと順番通りに出て行ってくれるほうが、お互いの為に良いと思うのでそうしてくれると嬉しいです。

まとめ

ここまで、いち車椅子ユーザーからの三つのお願い事を書いてきました。

こうした日常のちょっとした思いを伝えていくことで、健常者と障害者、車椅子ユーザーとそうではない人たちが互いを知り、理解し合うきっかけになればと思います。

車椅子ユーザーも、非車椅子ユーザーへの配慮や気を付けるべきことを考え、行動していく必要がありますね。

今回書かせていただいたことは、あくまで私個人の思いですが、町なかで車椅子ユーザーを見かけた際は、この記事のことを思い出して参考にしていただけると嬉しいです。

(執筆 桜井弓月(さくらいゆづき ))

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桜井弓月(さくらい ゆづき) by
脳性麻痺の車椅子ユーザー、である前に、女です。
自称、エセ物書き。のらりくらり生きてます。
方向音痴にもめげず、電動車椅子で町なかを暴走……いや、しとやかに徘徊中。
数年前に流行った動物占いは「笑いながらキツイことを言うトラ」。当たっているか否かはナイショです。