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発達障害当事者の悩み 人との関係の理解が難しい

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発達障害 悩み

発達障害の中の,特にADHDの方に見られる傾向の一つに,「仕事量を調整できない」というものがあります。自分のことでもありますが…。まずはこの「仕事量の調整」についてお話していきます。

発達障害当事者が仕事を受けた場合

ADHDの場合,人との距離感がよくわからないという特徴があります。自分では親しくなったつもりでも,相手にしていれば只の知り合い程度ということも「あるある」です。距離感がわからない人生を過ごしてくると,自分からは距離を詰めようとしない傾向が強くなっていきます。しかし本当は皆と親しくなりたいし,自分を必要としてほしいという気持ちもあります。むしろ必要とされたいという気持ちは強いかもしれません。

人との距離感がわからず,親しいかどうかも今一つはっきり理解できないため,頼まれごとには異常なうれしさを感じることがあります。必要とされることがうれしくてたまらないのです。仕事上の付き合いなら限定的なので,突飛なことも少なく関係性に大きな障害は出てこないですし。

「これはチャンス!」と思うので,求められること以上に仕事に注力し,その結果かなり高いクオリティの物が出来上がることがあります。それも必死な感じではなく楽しんでやっているように見えるため,周りの見ている人は「こいつ,やるな」と思ってくれます。実際楽しんでますし,納期よりかなり早く仕上げますので,「こいつ,やるな」感はかなりのものになります。

こうなると,周りの人が放っておきません。ここから地獄が始まるのです。

来るものは拒まず,去られるのは嫌

八方美人なわけではなく,人との関係性の理解が苦手なために頼まれごとは断れません。「断ったらすごく嫌な思いをさせるんじゃないか」「私が嫌っているから仕事を断ったと思うんじゃないか」等を考え,それが大きな負担になります。そのためにできる仕事や,多少難しくても調べればできそうな仕事はどんどん引き受けます。頼む方が気を使ってくれるので,納期は比較的緩やかにしてくれます。そのため,余裕をもってできそうな気がします。

しかし,ADHDです。集中できないことには定評のあるADHDですから,最初に思い描いた進捗をそのままキープできるはずがありません。また,必要とされて喜んでいるので,余計なクオリティも自分に課してしまい,一つ一つの仕事が大変なことになります。マルチタスクなんてできないのに,進んで同時処理をせざるを得ない状況にしてしまっているのです。なぜなら,「必要とされること=人との付き合い方」ですから。

次第に一つ一つの仕事の納期が迫ってきます。余裕をもってできるはずだったのに,寝る間も惜しんでやらないと間に合わないのです。また,最初に仕上げた人のようなクオリティにしないと,後から頼んできた人に悪く思われるんじゃないか,なんて思ったりもします。実際の仕事はそれぞれ違うので,単純なクオリティの比較はできないんですが,そんな風には思えないのです。


地獄は続く

一つ終われば次の頼まれごとがやってきます。まだ断るという選択肢はありません。そしてどんどん大変な状況を作り,最後には疲れ切ってしまうという状態になり,頼まれごとのすべてを仕上げると…今度は極端なことに「全てを断る」という選択肢を取ってしまうのです。合掌…。

お気づきかもしれませんが,この頼まれごと地獄の期間は,自分の仕事はほぼ何もできません。これもADHDの業でしょうね。

発達障害当事者の私は、自分が主役になるのが困る

一番の困りごとは,プレゼントをもらうことです。誕生日は恐怖です。何を求められているかわからないので,プレゼントをもらっても,自分がやってるのは正しいリアクションなのかわからず,心臓バクバクです。そして,もらったプレゼントをどうすればいいかも困ります。普段から使っているところを見せるべきなのか,大切にしておくべきなのか,相手はどう思っているのかがわからないし,どうすればいいかを聞くのも正しいかどうかわからず…僕の場合は「誕生日はありません!」「その辺から自然に生えてきました」と言ってます。

でも,プレゼントすることは好きです。自分はリアクションを求めてないし,好かれたいだけなので(笑)。だから,サプライズができません。なぜって,何が欲しいかわからないからですよ。だから,一緒に買いに行ったり商品券を上げたりしてお茶を濁します。「相手のことを考えれば,何が良いかわかる」という人がいますが,そんなのは無理です。それに「自分のことを思ってくれたプレゼントなら何でもうれしい」と言われても無理です。そんなのわかるわけないし,「自分のことを思ってくれたのが,コレ?」なんて思われるかと思うと,恐怖しかありません。

発達障害による、二次障害との闘い

こんな感じなので,対人関係には敏感になります。人からどんな風に評価されるかわからないので,結局一人でいるのが楽ってことにしてしまいます。ホントは必要とされたいし,誰かと一緒に居たいんですけどね。考えすぎて不眠になったり,鬱症状になったこともあります。実際,病休を取ったことも若いころにはありました。

普通に付き合えていると思っていたら「実は嫌だった」「あんなのはうれしくない」なんて言われたら,もうパニックです。何がどうなっているのかわからず,その人に近づくことが出来なくなります。そういうことがきっかけで疎遠になることも少なくないですし,逆に知らないうちに疎遠になっていたことに気づくと「何がダメだったのか…何か悪いことをしてしまったのか…」と鬱々考えてしまいます。わからないんですけどね。

発達障害当事者の悩み まとめ

みなさん,ADHDっぽい人に仕事を安易に頼んじゃだめですよ。あと,プレゼントもホントのホントに困っている人がいますから,ね。

(執筆 平泉(たいらいずみ))

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平 泉(たいら いずみ) by

公務員保育士として25年働いたのち、大学院に進み教育学修士を取得(発達心理学分野)。自らがADHDとアスペルガー障害の併存型であり、研究対象も幼児の発達障害という…根っからの発達障害者です。