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「発達障害」って昔は存在しなかった 何故、現在では「障害者」扱いなのか

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発達障害 存在しなかった

昔からゴシップ記事というものはありましたし,それを面白がってみる民衆というものも当たり前のものでした。しかし,今はゴシップだけでなくSNSで誰もが何かを発信できるようになり,噂話や都市伝説,ただの目撃情報や個人の考えなどが世の中にあふれ,そこから記事が出来たり放送が自粛されたり,中には店舗の閉店,廃業,個人の場合は自殺という悲しい結末になることも起こっています。なんでこんな書き出しになったかというと最近「発達障害ってなんで最近出てきたの? 昔は無かったよね?」と何人かに聞かれたことから,ADHD独特の連想モードに入ったことで,こんなことになりました。

発達障害が新しい?

「発達障害って昔は無かったよね?新しい障害?」と思う人は,僕の知人だけでなく一般的にも多いと思います。確かにその通り,昔はありませんでした。ただこれは「発達障害」という障害名や分類がなかっただけで,インフルエンザだって「スペイン風邪」って言ってたり結核も不治の病だったりという診断技術や医療技術の違いによるものであって,障害そのものがなかったわけではありません。

「子どものころ,そんな人いた?最近出てきた障害でしょ?」とも聞かれますが,「いましたよ,僕が」と言ってます。まぁ,こういう言い方になると,僕が「人類初の発達障害者」になりかねないので,すぐに訂正しましたけど。でも,実際に今ほど発達障害が問題になってなかったのも事実です。

発達障害は社会性の障害だから

ASDやADHD,LDはそれぞれ特徴が異なります。こだわりが強かったり,忘れ物が多かったり,何回教えても読めずに話が伝わらなかったり,自分の好きなことだけに力を注いだり,同じ失敗を何度も繰り返したり。でも,共通するものもあります。それは「周りの人に迷惑をかける」ことです。発達障害の最大のポイントは「社会とのつながりの問題」なのです。ここが今と昔を分けるポイントのような気がします。

TEDという番組をご存知な方も多いと思いますが,TED×KYOTOという特別編がありまして,その中で京都の禅寺の副住職さんが「日本では,初詣は神社に行き,除夜の鐘をききに寺に行き,年末にはクリスマスを祝う」というお話をされていました。これを「寛容な宗教観」と表し,「日本では,宗教が違っていても互いを尊重し仲よくすることが出来ている」「宗教は,盲信し教義を順守することが最大の目的ではなく,安心感を持って暮らせることの助けを提供することが本質」と仰っていました。


障害に対して寛容であること

TED×KYOTOの言葉からまた連想が起きます。TED×KYOTOのお話では日本は寛容であるといわれてましたが,冒頭のSNSや社会的風潮について考えると,むしろ寛容ではなくなってきているように感じます。というか現代は不寛容な社会になってきています。企業は常に戦々恐々として,1つでもクレームがあればCMを取りやめたり,ドラマで犯人を追う警官がシートベルトをするまで車を発進しなかったり,「この後スタッフ全員で美味しくいただきました」とテロップが流れたり,誰もが他者を許さず,自分が的になることを恐れて生活しています。

発達障害児への対応

最近,保護者の皆さんが言うことの中に「外で子どもを叱ると,すぐに虐待って言われるから困る」「まだ小さいんだから,許してあげたら?とか言われるから,自分が虐待してるみたいに感じる」というもの増えています。確かに発達障害など何らかの障害を抱えている子は典型発達児に比べ2倍以上の虐待のリスクがあります。しかし,子どもを叱れない社会ってどうでしょう。

僕はADHDでASDでLDです。人との距離感はわからなくても,人を侵害することはしませんし,極力周りに迷惑をかけないように生きようというのが,ある種の命題になっています。でも,これは祖母に叩き込まれたからなんです。「しつけ」はかなり厳しい方でした。しかし,わかりやすくブレもないものなので守りやすいし言い訳の余地もないのです。守らなければがっつり叱られました。近所の人に「そんなに叱らなくても」と言われたこともあったそうですが,そんなことで変える祖母ではなく,その後も叱られてました。

祖母のおかげで今の僕があります。しかし,祖母だけでなく地域社会にも育てられたと思っています。なぜなら個人や家庭を尊重する,寛容な社会だったからです。今のような叱られない社会だったら僕は,おそらく結構ヤバい感じになっていたんじゃないかな,と…。

発達障害 まとめ

もちろん躾と称して虐待をする人もこれほど多くは無かったので,昔のようにできないかもしれませんが,僕に相談してくる母親は,明らかに困っています。「じっくり話して聞かせましょう」と言っても,発達障害の子はじっくり聞けません。ルールを端的に伝え,守らないとデメリットがあるというのは,とてもシンプルでわかりやすいものです。こんなに不寛容な社会にいつの間になったんだろう…なんか生きにくいですね。

(執筆 平泉(たいらいすみ))

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平 泉(たいら いずみ) by
公務員保育士として25年働いたのち、大学院に進み教育学修士を取得(発達心理学分野)。自らがADHDとアスペルガー障害の併存型であり、研究対象も幼児の発達障害という…根っからの発達障害者です。
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