先日、生まれて初めて「私」の特技と言えそうなものを発見しました。
なぜ「私」とあえてかっこ表記にしているのかと申しますと、「私」は精神障害のために解離(トラウマとなる体験から心を守るために心と体が分かれること)してしまうからです。「私」以外にも複数の人格が存在しています。彼らが表出しているとき、「私」は「私」の身体でありながら「私」ではなくなります。
彼らは躍動感のある詩を書いたり、不思議なアクセサリーを作ったりしてくれますが、主人格(普段主に活動をしている人格)である「私」には何も特技と言えそうなものが見つからず、悶々とする日々でした。
私は現時点では発達障害の可能性がかなり高い状態で未診断です。
ですが、幼少期から物を並べることが大好きでした。お菓子の包み紙、糸くず、ガラスの破片、石ころ、ビニール袋、キーホルダーやペンダントのトップなどといったものです。それらを自分の中の快感に沿うように並べます。1ミリ単位で物の配置を決め、角度も考えます。
先日ふと思い立って自分が並べた物を写真に撮り、
黄金比:線分を一点で分けるとき、長い部分と短い部分との比が、全体と長い部分との比に等しいような比率。1対1.618をいう。古代ギリシャでの発見以来、人間にとって最も安定し、美しい比率とされ、美術的要素の一つとされる。外中比。中外比。(出典: 黄金比ーコトバンク)
の図と重ねてみました。すると、縦横の比率が何度並べ替えてもまるで測ったかのように黄金比になっていたのです。
単なる偶然かと思い、何十回もやり直して写真を撮って重ね合わせてみました。ですが必ず測ったようにほぼ黄金比と一致するのです。
私は並べるとき、黄金比になるように並べようと思っているわけではありません。ただ「気持ちいい」と思うように並べているだけでした。それが何度やっても黄金比と一致するという、とても不思議なことが起きています。
何となく「気持ちいい」と思うように並べた物の配置が黄金比と重なるということは、言い換えれば「何も測らなくても物を黄金比になるように並べられる」という特技になるのではないでしょうか。
このことに気がついたとき、ようやっと「私」の特技が見つかったと思いました。
これは発達障害と関係があるのでしょうか。何かしら脳が特徴を持っているから、並べた物が黄金比になるのでしょうか。その特技かもしれない何かは脳に原因があるように思います。
人の脳というのは本当に不思議なものですね。
(執筆 秋澤優(アキワサヒロ))